診療内容

骨粗しょう症治療

骨粗しょう症とは?

骨粗しょう症(骨粗鬆症)は、骨の量が減少したり、骨の質が劣化(質が悪くなる)することで骨強度が低下し、骨折のリスクが高まる病気です。
骨の強さ(骨強度)は、骨の量(骨量、骨密度)と骨の質(骨質)で決まります。

健康な骨の内部は多くの骨梁が縦横に連結して骨の強度を保っていますが、骨粗しょう症になると骨梁が細くなったり切れたりして、スカスカの状態になり、折れやすくなります。

骨粗しょう症のリスク

骨粗しょう症による骨折は『寝たきり』なるリスクがあります。

骨折の中でも太ももの付け根の骨折が特に『寝たきり』なるリスクが高く、原因の多くは転倒によるものです。全般的に女性の方が、年齢とともに骨折するケースが多いようです。

背中や腰が曲がったり、姿勢が悪くなります。

背骨がもろくなると、背中や腰が曲がったり姿勢が悪くなり、圧迫骨折(背骨が自重でつぶれる/変形する)がおこりやすくなります。また、胸焼けが起こりやすくなるなど内臓への影響が出ることもあります。

生活の質が低下します。

身体機能の低下により、日常生活に支障をきたし行動範囲も狭くなります。
骨粗しょう症の原因の1つである加齢は避けられません。生活の質を維持し、元気に日々過ごすためにも、まずは骨の状態を知ることが大切です。当院ではDEXA法による骨密度測定を行っています。お気軽にご相談ください。

骨粗しょう症の検査

骨密度測定装置(DEXA法)
骨密度測定装置(DEXA法)は検査時間10分以内で脊椎部、大腿骨部の“骨の量そのもの”を測定することができます。
DEXA法とは(dual-energy X-ray absorptiometry)の略で2種の異なるX線を照射し、骨と軟部組織の吸収率の差で骨密度を測定する方法です。高精度を保ちながら、高速撮影、被ばく量の低減を実現しています。

骨粗しょう症の治療

食事・運動・薬物療法が骨粗鬆症治療の3本柱です。

食事療法

食事は栄養バランスの良いもので、塩分や脂肪分の多い物は控えて下さい。カルシウムは食品として700~800mg/日以上を目標にし、カルシウムだけでなく、ビタミンDやビタミンKの摂取も心がけましょう。
カルシウム摂取が不足すると骨粗鬆症の原因となるだけでなく、血管などの組織にカルシウムが逆に増え、動脈硬化症・糖尿病・高血圧など様々な疾病が起こります。骨粗鬆症の患者さんでは動脈石灰化による冠状動脈疾患・心臓病が多くみられることはよく知られており、骨粗鬆症を予防すると同時に動脈硬化を防ぐためには、適切なカルシウム摂取と同時にカルシウム以外の骨代謝に必須の栄養素であるビタミンDやビタミンKの摂取が推奨されています。
骨粗鬆症の人が避けるべき食品は特にありませんが、カフェイン、アルコールなどの摂り過ぎには注意しましょう。過量のアルコールは、カルシウムの吸収を妨げたり、尿からのカルシウムの排泄量を増やしたりします。カフェインもまた、カルシウムの排泄を促します。

運動療法

骨は、運動をして負荷をかけることで増え、丈夫になります。さらに、筋肉を鍛えることで体をしっかり支えられるようになったり、バランス感覚が良くなったりし、ふらつきが無くなって転倒防止にもつながるため、運動療法は骨粗鬆症の治療に不可決です。
激しい運動をする必要はなく、散歩などは週に数回でも十分ですので、とにかく長く続けましょう。また脊椎の骨折を防ぐため、背筋を鍛える運動が効果的です。

薬物療法

薬による治療は検査結果をもとに、病気や身体状況を考慮して選択していきます。骨粗鬆症治療薬の分類としては、「骨吸収抑制薬」と「骨形成促進薬」に分けられ、その他に骨密度を上げるために補助的に併用するものも出てきております。薬の効果には個人差があり、副作用がでることもありますので、外来で定期的な検査を行いながら続けていくことが必要です。

【主な骨粗しょう症の薬】

よくある質問

骨粗鬆症は 何歳くらいから気を付けたほうがいいですか?

女性の場合、閉経を機に骨密度が低下しますので、50歳を過ぎたら1度は骨密度検査を受けることをお勧めします。

痛みがなくても治療は続けるべきですか?

そもそも骨粗鬆症だけではほとんど痛みはありません。骨粗鬆症が原因で骨折をすることで痛みが生じます。骨折の治療をして改善すれば、痛みは徐々に減ってきますが、骨粗鬆症が改善しているわけではないので、次に骨折を起こす可能性は1度目よりもむしろ高くなります。ですから、1度骨折をした方は特に治療を継続することが必要です。

骨粗鬆症になりやすい体質はありますか?

家族に骨粗鬆症の患者さんがいる場合は、骨粗鬆症になり易い体質であるといえますので注意が必要です。骨粗鬆症の発症には遺伝的要素が認められますが、それと同時に家族の間では食事の好みや運動量など、生活習慣が似ていることも大きく関わっているようです。また、やせ型の人や閉経の時期が早かった人なども骨粗鬆症になりやすい体質であることがわかっています。特に女性の骨は、ある時期まで女性ホルモンに守られていますが、閉経によりそのバリアが解けると骨も老化しやすくなります。若いころ、過激なダイエットをした人も骨粗鬆症のリスクが高まります。